ディスコは従業員満足志向(ESO)を経営の根幹に据え、従業員が心身ともに健康であることを企業価値向上の前提条件と考えています。従業員が安心して挑戦できる環境を整えることが、持続的な成長と社会的責任の両立に直結すると認識しています。
その理念のもと、2005年に「安全・健康原則」を制定し、2013年からは経営目標の一つとして「健康一級」を掲げて活動を展開してきました。
これらの取り組みは単なる福利厚生ではなく、DISCO VISION 2030に掲げる「健康・安心・安全に配慮した環境づくり」の実現に不可欠な基盤です。
また、ディスコでは独自の組織経営施策(個人Will・PIM活動・DISCO VALUES等)を通じ、従業員が自律的に選択し挑戦できる仕組みを構築しています。健康も同様に、管理されるものではなく「自ら獲得する力」であるという考え方を基盤に、会社と従業員が一体となって健康一級を推進しています。
今後も従業員満足を重視した健康経営を継続的に進化させ、従業員の働きがいと企業の持続的成長に繋げることで、当社の社会的使命(Mission)の実現を前進させてまいります。
代表執行役社長 関家 一馬
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(参考)人的資本戦略 人的資本関連データ
ディスコでは、従業員が自らの意思で働き方を選び、健やかに力を発揮できる仕組みを構築しています。その基盤が「個人Will制度」です。この仕組みにより、従業員は自らの意思で部署や仕事を選び、仲間と信頼関係を築きながら、健康でいきいきと働ける環境を実現しています。
個人Will制度は、「Will」という社内通貨を用いて、仕事をすればWillの収入を得て、備品使用や仕事を誰かに頼むなど会社や同僚のリソースを使うときはWillを支払う仕組みです。収支は見える化され、賞与の一部にも反映されます。
これは単なる管理会計制度ではなく、当社の働き方・マネジメントの軸となる経営戦略のひとつです。当社では、「自らの意思で動くとき人は最大の力を発揮する」のポリシーに基づき、社員の意思の発露が会社の進化や全体最適につながり、それがまた社員のやる気、働きがいにつながる仕組みがあります。個人Will制度のもとでは、社員はどの部署で働くか(配属・異動の自由)、どの仕事にチャレンジするか(業務の自由、業務の独占禁止等)を自らの意思で決めます。働く部署、業務内容を会社や上司が決めるという一般的なマネジメントから脱却し、自分はどの仕事をしたいか、どうすれば会社や職場との信頼関係を維持できるか、これらを自らが考え、自らの言動に責任を持つという自律型のマネジメントです。
この仕組みは従業員の健康においても大きな効果を発揮しています。仕事は楽しいか、共に働く仲間は信頼できるかは、従業員の心身の健康において本質的重要性を持つものです。当社は「信頼関係」「関係の質」を組織経営の重要テーマとしています。異動の自由・業務の自由により、信頼できない上司・同僚から離れる自由も肯定し、仕事や人間関係におけるストレスを生じさせない行動を求めています。例えば、一般的には健康にとって悪とされる「残業」も、不本意な残業は健康にとって悪ですが、当社では自ら選択し楽しんで行う残業を肯定します。個人Willを使って業務量を各自がコントロールし、たくさん働くも、業務量を抑えるも各自が自由な働き方のもとで、本質的な働きがい・健康を追求しています。結果として、ストレスチェックの高ストレス者割合は2.6%(2024年度実績)と全国平均を大きく下回る水準となっています。
※全国平均は、全国労働衛生団体連合会『令和6年 ストレスチェックサービス実施結果報告書』(p.1)に基づく14.6%を参照
毎年の経営目標に健康をテーマとした「健康MBO」を必ず組み込んでおり、海外拠点も含め全部門の従業員が参加し、グループ全体で積極的に健康増進に取り組んでいます。健康課題に応じて毎年異なるテーマを設定し、セミナー受講や具体的な改善活動を通じてヘルスリテラシーを高めています。また、達成度合いを測る指標としてグループ共通の達成度メジャーを設定しており、部門ごとの結果に応じてWillが支払われ、従業員の賞与に反映されます。そのため、一人ひとりの行動変容はもちろんのこと、組織で一丸となって健康一級に取り組む風土が醸成され、活動が自走する仕組みとなっています。
※活動に使用するアプリは当社で内製しています(画像は2023年度活動のアプリイメージ)
出勤しているものの何らかの健康問題によってパフォーマンスが上がらない状態である「プレゼンティーズム」を放置することは、従業員の働きがいや生産性の低下に繋がります。日頃の健康維持のみならず、不調の際にも適切に対処できる自己管理能力を身に付けることを目指して活動を実施しました。プレゼンティーズムを理解するセミナーや、要因となる健康問題を放置した場合のコストや影響を各自が具体的に理解する取り組みを行った上で、健康問題の改善活動やプレゼンティーズム測定を実施しました。「プレゼンティーズム」が社内の共通語となり、日常的に意識される環境が構築されました。
日頃から自分の健康に積極的に関心を持ち、健康維持のために適切な自己管理ができることを「セルフケア力(りょく)」と定義し、それを身に付け習慣化するために活動を実施しました。食事・運動・睡眠など様々なジャンルにおける健康活動をポイント化し、部署対抗で競い合うことで、従業員同士が一体となって健康活動に取り組む雰囲気が醸成されました。この活動をきっかけに、多くの従業員において「朝食を摂る習慣が付いた」「毎日の歩数を気にかけるようになった」といったポジティブな行動変容が起こりました。
眼疾患や眼精疲労による生産性の低下を避けるべく、眼の健康を維持するための活動を実施しました。全従業員が眼の健康維持に必要な知識を習得し、悪影響を及ぼす業務や習慣への対策を考案。また、毎月セルフチェックを実施することで、自分の眼の健康度を定期的に確認しました。
免疫機能とはなにかを学びながら、免疫機能を維持し、さらに高めていく生活習慣の定着を目指し活動しました。日常的な運動や食事、睡眠など健康的な習慣づくりを通じ、一人ひとりが免疫力を高めることを意識し、細菌やウイルスに負けない身体作りを目指しました。
姿勢を正すこと、そして正しい姿勢を意識する習慣をつけることを目指し活動しました。まず、自身の姿勢を確認し、歪みや癖などを調べ、悪い姿勢が与える影響と正しい姿勢について学習。さらに、姿勢を良くするためのストレッチや筋トレメソッドを習得、一人ひとりが自分に合った姿勢改善の活動に取り組みました。これらの活動を従業員同士が応援し合う仕組みをつくり、挫折せずに取り組める環境としました。
全従業員が口腔の健康と向き合い、歯と歯茎に関する詳しい知識を習得し、デンタル不調が及ぼす健康へのリスクを学びました。また、正しい歯磨き方法の指導を受け、社内で歯科健診をおこない、治療が必要な者には医療機関への受診を促しました。さらに、「歯科健診の習慣化」を目指し、健保組合の協力のもと、全従業員への定期的な受診を促しました。結果、早い段階での治療へとつながることで、一人あたりの歯科治療にかかる単価も減少しています。
2015年度に取り組んだ健康診断一級をチームでの取り組みに展開しました。チームを組むことで、メンバー同士励まし合いながら、改善に取り組むことができました。また2017年~2018年度は、健康改善チームの中で、各々の健康法を紹介しあう、声を掛け合い定期的な体重測定を行う、といった活動を通し「健康改善チーム戦」をさらに活性化し、健康への意識向上を図りました。
保健師による「健診結果の読み方勉強会」や「健康診断一級テスト」を受けることで、健診に関する知識を深めました。また、生活習慣病に関連する検査項目の中から、自分で改善を目指す項目を選び、生活習慣の改善に取り組みました。
人事部門・産業保健スタッフ・健康保険組合が連携して実施している様々な取り組みの一部をご紹介します。
インフルエンザ予防接種、婦人科検診、歯科健診を毎年社内にて開催しています。一年に複数回実施し、病院に行かなくても業務の合間に接種できる機会を設けています。(一部のイベントは派遣社員・請負社員も受診可能)
さらに、アレルギー検査、麻疹・風疹の抗体検査、帯状疱疹ワクチン接種など、会社が認識している健康課題や従業員のニーズに合わせて様々なイベントを社内で実施しています。また、社外で受診した場合についても費用補助を行っており、一部は従業員の扶養家族も補助対象としています。
各事業所に運動施設を備え、誰でも気軽に運動ができる環境づくりに注力しています。フィットネスジム、プール、体育館、テニスコート、フットサルコート、ソフトボール場など多様な施設に加え、大浴場も完備しており、日常的に体を動かしてリフレッシュすることが可能です。(詳細はこちら)専任インストラクターによるレッスンや社内クラブ活動も活発に行われ、従業員同士の交流の機会にもなっています。
食を通じた健康増進や満足度向上を自助努力で実現したいという想いから、広島・長野の工場では食堂を自社運営しています。献立は管理栄養士が監修し、毎日替わる種類豊富な昼食メニューや充実したサラダバーを用意しています。さらに、多様な働き方に応じて朝食・夕食も提供。本社でも昼食・夕食を提供し、全力で仕事に打ち込む従業員の生活を食事面からもサポートしています。
喫煙や二次検査受診の有無、日々の歩数や体重・血圧測定などの活動を当社内製の専用アプリに登録するとポイントが付与され、ポイント数に応じてリアルマネーでのインセンティブを支給する仕組みを導入しています。これにより個人Willに留まらない行動変容を促し、毎日の健康活動を習慣づけています。
運動量、食事管理、睡眠状態などをモニターできる活動量計(Fitbit)を配付し、それを利用したプログラムを提供しています。同僚と歩数や摂取カロリー制御量を競う、睡眠スコアの向上方法を共有するなど、楽しみ、モチベーションを高めながら健康増進に取り組めるようにしています。
特定保健指導基準に該当した40歳以上の従業員に対して、メタボ脱出支援プログラムを実施しています。活動量計を用いつつ専門家と相談しながら3か月間生活改善を行うコースや、食事を中心に生活改善を目指すコース、運動を中心に生活改善に取り組むコースなど、本人のライフスタイルに合わせることができます。
2014年度より、原則自己負担なしで社内婦人科検診を実施しています。(社外受診の場合も補助あり)
また、女性の健康に関するセミナーを開催しています。社内定期健診にて採血後の待機時間にセミナー動画を視聴してもらうことで、性別を問わず多くの従業員が必然的に学習の機会を得る仕組みとしています。
健康保険組合と協力し、自己負担なしで受けられる禁煙支援プログラムを実施しています。定期的に禁煙状況をトラッキングするだけでなく、一人ひとりの状況に合わせたアドバイスを行なうなど禁煙支援を強化しています。また、「禁煙ダービー」と称して禁煙に挑戦する従業員を募り、その出走者を社内で応援するイベントを実施するなど、当事者以外も巻き込んで会社全体で禁煙を応援する雰囲気が醸成されています。(画像は当社内製アプリ)
毎年のストレスチェックを自らの状態に気づく機会とするだけでなく、集団分析結果をタウンミーティングの場で社長から従業員へ共有することで、全社にメンタルヘルスケアへの関心を広げる工夫をしています。さらに、健康MBOなどの実践的な活動を通じてセルフケア力の向上を図っています。
また、産業医・保健師・人事部門にてカウンセリングや相談を常時受け付けており、従業員本人はもちろん、上司や同僚からの相談にも対応することで、ラインケア文化の定着に取り組んでいます。
継続的な健康経営への取り組みが評価され、経済産業省と日本健康会議が推進する「健康経営優良法人」に認定されています。
(詳細はAction!健康経営(外部サイト)をご参照ください)
最終更新日:2025年10月07日